想定価格よりも高ければ再検討すべき

購入したいマンションが3500万円だったとします。その周辺エリアで「同じ間取り、同じ築年数の賃貸物件」の家賃相場が15万円の場合、前述の公式に当てはめると、

「15万円×200倍=3000万円」

となり、購入価格(3500万円)は「想定家賃×200倍(=3000万円)」よりも500万円高いので、「本当に購入すべきか」を冷静に見極める必要があります。

多くの著者が口をそろえる「リセールバリュー」

物件選びの注意点として、著者の指摘が多かったのは、「購入後も資産価値が下がらない(もしくは上がる)物件を購入する」ことでした。

「大切なのは物件選び。将来いつでも売れる・貸せる立地の物件を!」
(菅井敏之『一生お金に困らない! 新・お金が貯まるのは、どっち!?』/アスコム)
「家や自動車を買うときは、それを売るときのこと、つまり、『リセールバリューで見て資産になるか? 負債になるか?』をじっくり考えてから購入するかどうかを決めましょう」
(山口貴大【ライオン兄さん】『年収300万円FIRE』/KADOKAWA)

「リセールバリュー」とは「資産を売却するときの価値、中古物件の資産価値の高さ」のことです。

成功した取引について、握手する不動産業者と顧客。
写真=iStock.com/Pattanaphong Khuankaew
多くの著者が口をそろえる「リセールバリュー」(※写真はイメージです)

YouTubeチャンネル「リベラルアーツ大学」の両@リベ大学長さんは、

「人によって前提条件が違うから『マイホームだから得』『賃貸だから得』って答えの出し方はできへんで」

と断った上で、

「経済的自由に近づきたい」という前提であれば、
・リセールバリューの高い家を買えるならマイホームの方が得する
・リセールバリューの高い家を選ぶ自信がない人は賃貸の方が得する

(『本当の自由を手に入れる お金の大学』/朝日新聞出版)

と述べています。