借入額は3000万円までに抑える

「30代の世帯年収(600万~700万円)だと、借入額は3000万円までに抑えること。(略)頭金を貯めてから購入する、物件予算を下げるなど、借入額を減らす手段を検討しましょう。世帯年収の高い共働きでも借入額は4000万円以内に抑えたいです」
(深田晶恵『住宅ローンはこうして借りなさい』/ダイヤモンド社)

(4)繰り上げ返済をして、1年でも早く完済する

マネー本の著者の多くが、

藤吉豊、小川真理子『「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)
藤吉豊、小川真理子『「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

「繰り上げ返済(全額または一部)をして、1年でも早く完済したほうがいい」
「返済期間は60歳まで(長くても65歳)がメド」

と述べています。

「繰り上げ返済」とは、毎月の返済とは別に、まとまった額を任意のタイミングで返済すること。月々の返済は「元本返済額+利息額」ですが、繰り上げ返済した分は元本返済の前倒しに充てられるため、その分の支払い利息が減ります。

また、繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。

★繰り上げ返済の2つの種類
・期間短縮型
毎月の返済額は変わらず、返済期間が短くなる。支払う利息を減らしたい人、完済を早めたい人向け。
・返済額軽減型
返済期間は変わらず、毎月の返済額が減額される。毎月の支払いを軽くしたい人、教育費の負担増などが予想される人向け。
◆繰り上げ返済の考え方
・定年後に住宅ローンが残っていると、老後の負担が大きくなる(「65歳完済」で計画を立てたとき、毎月の返済額が手取り年収の25%を超えるようなら資金プランを再考する)。
・返済期間が長いと、転職や退職にともなう収入減の影響を受けやすくなる。
・元金が減るため、将来支払う予定の金利を支払わずに済む。
・仮に住宅ローンの金利が2%だとすれば、早く返済するだけで「2%で資産運用している」とも解釈できる。
・退職金を使って残金の一括返済をする人も多いが、住宅ローンの金利が低い場合は一括返済をせず、その資金で資産運用したほうが得することもある。
・一括返済をすると「団体信用生命保険(返済者に万が一のことがあったときに、住宅ローン残高がゼロになる保険)」の保障がなくなる。他の生命保険に加入していない場合は、注意が必要。
・住宅ローン控除を受けている場合、条件次第では繰り上げ返済をしないほうが得をする場合もある。
・繰り上げ返済をすると手持ち資金が減るため、急な出費に対応できない可能性がある。
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