ITを使った学びで好きなことを楽しみながら

さて、子供の「好き」がわかったら、どうするか。「小さな階段を与えて(スモールステップといわれるものですね)、好きなことを楽しませる」に限りますが、これがなかなか難しい。そこで、ITの出番です。

たとえばChatGPTを使えば、難しい科学技術や社会問題について、子供のレベルに合わせた解説文を自動生成してくれます。

生成AIが絵画を自動生成できるようになったとき、ある知人がこう言いました。

「これでやっと美術が音楽に追いついたってことだね」

それまで美術は“術”を学んでからでないと楽しめなかったわけですが、これからは音楽のように誰もが楽しめる“美楽”になったのだと。理科や数学も、理楽や数楽として、その子に合わせた“小さな階段”で、楽しみながら学べる時代になったのです。

事実、TikTokやYouTubeを使って、子供たちはすでに、勝手に楽しみながら、興味のあることを学び始めています。

最近では、授業もYouTubeでやるべきだ、なんて声もある。確かによくできる子は倍速で聞いてどんどん先に進めるし、わからない子は何度でも聞き返せばいい。自分のペースで学べるので合理的です。

学ぶことは楽しい。学校も楽しい。社会は学校よりももっともっと楽しいはず。自分自身の“好き”に、自分自身のやり方で取り組んできた子供は、考える力や、自分の生き方を自分で決める力に加え、そうしたポジティブな気持ちも身に付けていくはずです。

僕は過去25年間、「インターネットを使って人間が楽しみながら成長できるプラットフォームづくり」を手がけてきました。いま、それが現実のものとなりつつあります。

子供が好きなことに熱中し始めると、他の子供たちとの違いが生まれてきます。当然ですよね。好きなことも、そこに対するアプローチも違います。

ところがそれを認めることが、親世代にとってはなかなか難しい。子供の頃から「みんなと一緒」を求められ、均一でバランスの取れた人材であることが重んじられる社会で生きてきたわけですから。ついつい子供に干渉し、「好き」にブレーキをかけたくなりますが、ここをグッと我慢し、子供の邪魔をしない。これだけです。

(構成=田中義厚)
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