誰の背中にもチャンスはくっついている
「あいつに今、チャンスがくっついているのになあ……」
私が主催する雀鬼会の道場生たちの対局を見ていて、そう思うことがしばしばある。チャンスが舞い降りて、道場生の背中のあたりにくっついているような感じが実際にするのだ。
けれども、それはほんの一瞬だ。当人はそれにまったく気づかない。
チャンスは気まぐれなので、あっという間に消え去り、また別の人の背中にくっついてしまう。
チャンスは万人に平等に訪れる
勝負の場において、チャンスはめまぐるしく動き回っている。
一人ひとりのプレイヤーがつくり出す流れが複雑に絡み合えば合うほど、チャンスの動きはすさまじく速くなる。あちこちで現われたり、消えたりを、目にもとまらぬ速さで繰り返している。
麻雀のように偶然の要素を含むゲームでは、チャンスは強い人のところばかりに行ったりしない。弱い人のところにもたびたびやって来る。だが、弱い人は、背中にくっついているチャンスになかなか気づけないのだ。
チャンスはつかみとるものでなく、向こうからやって来るのである。それに気づくかどうかで、勝負の行方は大きく変わってくる。
チャンスに気づくには、ふだんの生活の小さなことにも気づく感覚を磨くことだ。そんな感性を持つことが、仕事や人生の大きなチャンスにも気づく力になるのである。