運が人を選ぶ

さて、以上のことを前提に、どんな分野にあっても、自らの存在をかけてギリギリの闘いに臨むことはあるだろう。最後に勝負を決する重要なファクターがある。「運」だ。

運というものは、願ってやってくるようなものではない。

運というと、何やら目に見えない不可思議なもののように感じるが、実際は極めて具体的なものだ。それは、しかるべき日々の努力や生きる姿勢から、自然とやってくるものだからだ。

「運がやって来ますように」と願って行うような行為や思考は、かえって運に嫌われるものだ。むしろ、淡々とやるべきことをしっかりやっている人を運は好む。

つまり、運は求めるものではなく、運が人を選ぶと思っていたほうがいい。

少女の肩に乗る蝶
写真=iStock.com/fcscafeine
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運に選ばれる条件

では、運に選ばれる人とはどういう人なのか。

・物事には流れというものがあるが、流れを鋭くとらえる人はチャンスをものにすることができる。
・運がある人は小さなことによく気づく。大きなことは誰の目にも入ってくるが、小さなことは感覚を研ぎ澄ましていないと気づかないもの。この小さなことに現状を変えるヒントが潜んでいる。
・違和感のないものを選ぶ感性を持っている。
・「準備・実行・後始末」を1つ1つしっかりやる。

ここにあげたものは、運に選ばれる人に見られる特徴のほんの一部にすぎない。運に恵まれる人は、こうした行動や思考のパターンを平均的な人より一桁も二桁も多く持っているものである。