「なぜこの大学なのか」をはっきりさせる

圧迫面接は大人でもつらいものです。それを当時高校生だった河上さんが、立場が上の大人と話す緊張する場で受けたと考えると、そのプレッシャーは察するに余りあるものがあります。こればかりは運が悪かったと嘆くしかないですが、一方で無事、本命の大学に合格できた彼女の幸運は大変喜ばしいものだったのでしょう。

それでは、河上さんのおすすめの受験対策法はあるのでしょうか?

「とにかく、試験に向けて自分の主張に一貫性を持たせることにつきます。課外活動にしろなんにしろ、自分の中でテーマを1つに絞って、一貫させることが大事です。面接でも、志望理由書に書いたことに一貫性を持った答えを返せるかという部分が見られていると私は考えています。もちろん、志望理由は暗記すべきでしょう。

また、志望大学の教授が出している論文をたくさん読んだり、大学が出している入門書を読んでみたりすることも重要です。自分がどのような研究がしたいのか、その根拠となるからです。それと、当然といえば当然ですが、面接は教授と対面形式で行われます。ですから、その場で緊張しないように人前で話す練習をすることも重要です」

選抜試験は就活と同じ

第3章でもお話しした、「主張に一貫性を持たせる」ということですね。実はこれ、就活でもよく用いられるアドバイスです。大学受験とはいえ、人と人とのマッチングという面では変わりませんから、選抜入試はある意味では就活のように考えた方が、成功率が高くなるのかもしれません。

クラウドセンバツ、西岡壱誠『選抜入試の教科書』(星海社新書)
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さらに、河上さんは自分の意見の書き方については必ず誰かに見てもらうべきだ、とも仰っています。塾などに通って、自分の意見が伝わりやすいライティングの方法を教わって、独りよがりな記述方法から抜け出さなくてはならない、といいます。

意外なところでは、時事ネタに詳しくなっておくことも重要なのだそうです。意外と多いケースが面接のアイスブレークとして教授から時事ネタの会話を振られるパターン。これに対応できるように、日常からある程度ニュースや新聞に触れておくことが大事なのだそうです。

最後に、河上さんに受験生へ向けてのアドバイスを伺いました。「とにかく、自分を信じ続けてください。学校側が出してくるのはあくまで予測にすぎません。絶対的なデータではないのです。いろいろな外野の意見はあるかもしれませんが、最終的に受験するのは自分自身です。選抜入試では自分の意見が問われますから、徹底的に自分の意見を持ち続けることが重要です」

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