半年以上かけて臨む1次試験

「合格までには1次試験と2次試験の2つに合格しないといけません。1次試験は書類で見られます。志望理由書といって、これまでやってきたことや、将来やりたいと思っていることを書いていくんです。これが大学4年間の学習計画にもなりますから、半年以上かけて書くことも珍しくはありません。

『○○教授のどの授業を受けたいです』というように、かなり解像度が高いことを言うために、大学自体の研究も必要ですし、自分がやってきた活動についての客観的な研究も必要になります。

1次試験の合格率は大学にもよりますが結構低めでした。人気なところだと7倍から8倍くらいある場合もあります」

1次試験の志望理由書で困ってしまう人もかなりいるようだ、と河上さんは言います。高校生の段階から自分がやりたいこと、やってきた実績を1000文字以上で書き連ねることは相当な負担になるからです。しかし、河上さんはこの段階は苦ではなかったといいます。

面接で聞かれること

「私は、1次試験はそこまで苦ではありませんでした。他の人よりもだいぶ楽な思いをしていたと思います。というのも、みんなが書類作りで困る理由は、ぜんぶ実績不足にあるからです。何もやっていない子だと、1000文字も書くことがありませんし、そもそも書くことが苦手という人も少なくありません。ですが、私の場合は高校時代に積み重ねた実績がありました。それに、書くこと自体も嫌いではなかったんです」

課外活動でもやりたいことをやっていたので楽しかったと語る河上さん。親や先生からは心配されたものの、「自分なら大丈夫」という自信で頑張り切ったといいます。それでは2次試験はどのような様子だったのでしょうか。

「2次試験は大学によりますが、大体は面接と小論文があります。これに合格すると大学に行けるという試験なのですが、倍率は高くありません。面接では志望理由書の深掘りをされますが、大体は志望理由書に書いてあることを聞かれますから、これをしっかり復習していれば大丈夫だと思います。

小論文は現代文の読解に近いのですが、文章内にある情報だけではなく、自分で勉強してきた知識も要求されますから、しっかり勉強してこないと解けないようになっています。面接は私の場合は、話すことが得意だったので、まったく不安はありませんでした(笑)」