外国人労働者にとって、日本は魅力のない国になりつつある。調達・購買コンサルタントの坂口孝則さんは「10年ほど前までは日本は人気の国だったが、いまでは韓国などを希望する人が増えている。不人気になった最大の要因は、賃金の安さだ」という――。(第3回)

※本稿は、坂口孝則『買い負ける日本』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

食品加工工場で作業するベトナム人の技能実習生
写真=時事通信フォト
食品加工工場で作業するベトナム人の技能実習生=2018年8月30日、埼玉県加須市

「働くなら韓国」と語るベトナム人学生

2022年末に韓国に出張した。サムギョプサルを食べに入店すると、ベトナム人らしき女性が迎えてくれた。どこから来たのか、と知人が訊くと、やはりベトナム人学生で情報工学を学びに来たという。「日本は選ぼうとしませんでしたか」と訊くと「韓国しかありません」と答えてくれた。「私の友だちも韓国に来ています」。外国人で日本語を学ぶ人が少なくなっている、ともよく聞く。

日本で働いてくれる外国人労働者数を見てみる。厚生労働省は5年間の推移を発表しており、2017年の128万人から2021年の173万人と増えている。しかし対前年増加率はかなり減少している。コロナ禍だったとはいえ、2021年は0.2%となり頭打ちになっている。

冒頭で紹介した女性は留学生だが、留学生として日本で労働している数は2017年の26万人から2021年は27万人と横ばいに見えるが、2019年にピークを迎えたあと、減少が続いている。そして比率として大きいのが技能実習生だ。

もともと外国人技能実習制度は、国際貢献としてはじまった。日本で多くの技能を学んでもらい自国に持ち帰ってもらう。しかし実態は日本における単純労働を下支えする役割を担ってきた。日本は移民を堂々とは許容してこなかった一方で、現実的な問題として安価な労働力不足が顕在化していた。そこで技能実習制度がはじまったのが1993年だった。

在留期間が限定され帰国させやすい側面もあり広がった。そこから30年が経った。