しゃべりすぎてはいけない場面もある

しかし、僕のお仕事に限っての話ですが、合いの手の入れすぎには気をつけています。このあたりは感覚になってきますね。

リスナーさんは確実にパーソナリティの話を聴きたいわけで、僕のしゃべりを聴きたいわけじゃないですから。まれに「構成作家さんももっと話してほしいです!」などのメールやツイートも見かけます。心の中でうれしいなと思いつつも、この意見はほんの一部、しゃべるべきではないと思っています。

そもそも、関係が深くなってくると、過剰に構成作家に話を振るパーソナリティさんがいらっしゃいます。そこで作家がしゃべりだしてしまったら、どんどん作家の言葉数が増えていくと想定しています。あくまで作家はしゃべらない人、というスタンスは変えてはいけないと思っています。自分の発言がウケたときはうれしいですし、「ガイさん」「(番組名) 永田」「(番組名) 作家」などでツイッターにてエゴサーチもしますが、自分は黒子、自分は黒子と何度も復唱して、たとえ発言がウケたとしても自分の手柄にせず、黒子精神を忘れないように心にとめています。

一番よくしゃべるのは誰か? 3人で話すときのポイント

ラジオにおいて、3人でのトークをする場合、また状況が変わってきます。

3人でのトークは、1人がしゃべって、2人がバランスよく聞き役になれればいいですが、「しゃべり役」「聞き役」「黙って聞く人」に分かれがちです。リスナーさんは、バランスよくみんなの話を聴きたいと思いますから、僕は構成作家として、黙って聞き続けているメンバーがいないように、あえて一番しゃべってない人にカンペを出して、質問をさせて、会話に入らせたりします。

僕はタレントさんのラジオ番組を始めるとき、事前にできるだけ情報を収集します。グループで活動している人のラジオは、ランダムに選ばれたメンバーが何人かの組み合わせで担当するというスタイルが多いです。そうなると、それぞれ関係性は違うので、大げさかもしれませんが、毎回新しい番組をやっているようなものなんです。

・AさんとBさんの関係は?
・BさんはCさんのことをどう思っている?
・CさんとAさんはどちらがよくしゃべる?

まずは、このようにお互いの関係を理解しておくことが大事です。中でも一番重要なのは、誰がよくしゃべる人か、ということです。これはラジオ以外のお仕事でも分かっておくといい情報だと思います。自分がCさんだとして、Aさんはよくしゃべるけど、Bさんは口数少ないな、ということが分かれば、当日できるだけBさんに話を振ってみよう、などと対策を打つことができるからです。

ミーティングをする3人
写真=iStock.com/Rossella De Berti
※写真はイメージです