日本が国際競争力を落とした大きな要因

スイスにあるIMD(国際経営開発研究所)が毎年発表する「世界競争力ランキング」によると、2022年は日本は参加63カ国・地域中34位になっています。1989~1992年までは1位を取り、90年代前半も上位をキープしていましたが、徐々にランキングを落とし、今では競争力が弱い国になってきています。

中でも足を引っ張っている項目をみると、「変化に対する柔軟性や適応性」「企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)」で、63カ国・地域中63位と最下位になっています。

鈴木眞理『仮説起点の営業論』(KADOKAWA)
鈴木眞理『仮説起点の営業論』(KADOKAWA)

また同じくIMDが発表している「世界デジタル競争力ランキング2022」では「Opportunities and threats(機会と脅威への素早い対応)」「Agility of companies(企業の敏捷性)」の2つの項目で日本が63カ国・地域中最下位になっています。日本は「変化が苦手で対応スピードが遅い国」になってしまっており、それが国際競争力を落とす大きな要因になっているのです。

このような状況において、顧客が「スピード感を持って決断し、行動できる」ようお手伝いをすることこそが、営業の価値になると私は考えています。

そして、このような営業における価値を発揮したいと考えるときに重要なのが、「仮説」です。仮説が一番効果を発揮するのが、「余計な情報を取り除き、やらないことを決め、結論を出すまでのスピードを上げる」というところなのです。

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