これから管理職を目指す女性に、将来のためにやっておいてほしいことは3つあります。

まずは積極的に手を挙げて、チームを動かす経験をすること。

2点目は、ダメな上司から学ぶことです。いい上司の下にいると仕事はうまくいきますが、なぜうまくいっているのかがわかりにくいものです。それが上司の手腕なのか、あなたの力かもはっきりしません。

ダメな上司の下にいると、なぜうまくいかないか、自分だったらどうするかを考えて分析できます。ダメな上司のほうが学びは大きいのです。精神的にはきついかもしれませんが、おつき合いをしているわけではありませんし、適度な距離を保ち、学びのステップにしましょう。

3点目は、叱ってくれる人を持つことです。女性をストレートに叱りにくいと感じている男性は多く、女性の側も、職場で叱られ慣れている人は少ないものです。男性の場合は若いときから、お酒の場などで、職場やお客様先でのマナー、服装や身だしなみについてストレートに指摘されますが、女性の場合はそういった機会が少ないのです。

仕事ができても、声や話し方、服装や化粧などがプロフェッショナルらしくなかったり、仕事ができなそうに見えて損をしている人をよく見かけます。女性の場合は特に、言いにくいことも指摘してくれる存在を持っておくことが大切でしょう。

せっかく会社という組織に入ったのですから、自分ひとりではできない、数百人、数千人規模でこそできることをやってみないのはもったいない。ぜひ、女性にもどんどん管理職にチャレンジしていただきたいと思っています。

(大井明子=構成 尾関裕士=撮影 Getty Images=写真)
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