業績が伸び、42歳で管理職に

さて、久しぶりの正社員、しかも新たな職場にチャレンジすることはドキドキも多かったですが、前職から元々その分野が好きだったこともあって楽しくて仕方ありません。新規立ち上げ部署だったので、メンバー一丸となって作り上げながら業務に精励する日々です。しかも、さほど残業をせずに業務をこなせたことも助かりました。息子は学童保育に通い、学童が終わった後は、都内の勤務先から私が帰宅するまでの2時間ほどはいわゆる「鍵っ子」状態でしたが、当時、小学校から徒歩30秒の団地に住んでいて、ご近所さんもいろいろと助けてくれる環境に恵まれたのが幸いでした。そうして無我夢中でやってきて、ありがたいことに部署の業績もドンドン伸びて、部長から「いくみさん。管理職やってください」と言われた時には天にも昇る心地。入社3年目、42歳の時です。その部長は現在は転職されて残念ながら連絡を取ることも叶いませんが、採用面接の時から本当にお世話になりました。

上向きのグラフが黒板に溺れる
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周りから疎まれても気にしない

ただ、周りの同僚からは「いくみさんが管理職だってさー! へぇーー」みたいに疎まれたりして。おそらく同僚たちからしたら、「いくみさんだけずるい」「自分も同じように頑張ってきたのに……」という思いがあったのでしょう。言われた時にはつい「すみません」と謝ったりしましたが(笑)、心の中ではさほど気にしていませんでした。ちょっとおこがましい言い方だったら申し訳ないのですが、人には1人ずつにそれぞれ与えられた使命がある。そんな想いを抱いていたからです。我が事業部はその後も順調に躍進を遂げましたが、部長が突然退職。気づくと「部長の椅子」が空いています。会社の人事ってこうした「繰り上げ当選」的なことも多くて、次点的なポジションにいた私が部長を拝命するに至ったのです。管理職となって6年後のことです。