大学にまで蔓延する消費者マインド

学生は“授業という商品”を買い、教師はそれを買ってもらう立場になっている。

私は、教育にスペックなどは、本当はいらないし、むしろ害になると思っています。だから、シラバスもいらない。ある程度のガイドラインがあればいい。

だけど、生徒は消費者マインドになっており、大学はCS(カスタマー・サティスファクション=顧客満足)を満たすための授業を商品として提供する機関になっている。

大学という、商品交換の世界からもっとも遠い場所にまで、消費者マインドが瀰漫びまんしてきているのですね。

消費者マインドは、非常に強い強度を持って現実に編成されていることがわかります。それはもう、地球上のすべてを覆いつくすような勢いです。それは、なぜなのでしょうか?

世界は等価交換と贈与交換の原理で動いている

この原理は、等価交換による貨幣経済の仕組みがもとになっていると私は思います。等価交換とは、「自分が損をしないように相手と交換する」ということです。

けれど、よく考えてみてください。

この世の中に、実は等価交換は思ったほど多くありません。多くのことは、等価交換ではなく、贈与交換によって成り立っています。たとえば、家族間でのお金の貸し借りに利息はありません。そこには通常の等価交換とは違う、贈与交換の原理が働いているのです。

親が子どもを育てることは無償の贈与であり、子どもが親の面倒を看るのも贈与に対する返礼である。こうして、いわゆる贈与に対する返礼という形の交換原理と、貨幣交換という原理がこの世の中に共存しています。

そして、交換のこの二つの原理によって世界は動いている。

しかし、消費者マインドが進んでいくと、貨幣交換(=等価交換)しか見えなくなり、贈与交換が隠蔽いんぺいされてしまうという現象が起きてくる。