自分の「健康法」をつくる
日常生活でできる自分なりの健康法を続けることは、とても大切なことです。
私の場合は、通勤時の早歩きと振動タイプの筋力増強機器の他、ついでにできる健康法を求めて、さまざまな文献に目を通し、インターネットで検索する毎日です。
なかでも、私が日々実践していて、自信を持って患者さんにもおすすめしているのが「爪もみ」。免疫学者の安保徹先生の本で知ったものですが、簡単にできて、自律神経が整うので、1日に1、2回、私はバス待ちの時間に必ず行うようにしています。
やり方は簡単で、手指の爪のつけ根を左右両側から、押すようにもむだけ。強さは「痛気持ちいい」くらいを目安にして、1本の指につき10秒ずつ押します。
ここには「井穴」というツボがあって、東洋医学では、自律神経を調整するツボとされています。指によってさまざまな効果が期待できます。
親指はアトピー性皮膚炎や喘息、人差し指は胃潰瘍などの消化器系、中指は耳鳴りなどの耳の機能、薬指は交感神経を刺激し、小指はうつ症状やアレルギー症状、物忘れや不眠、高血圧、肩こり、頭痛、頻尿などに効果があります。
指先には毛細血管も密集していますから、爪もみで、血管の血流が促されます。
これは、自分で見つけて「これをやると調子がいい」と実感している、自分なりの健康法である、ということもポイントです。自分で見つけ、自分でやってみて効果を感じ、続けていること。それは、自分の心をポジティブにしてくれます。実際に気の流れもよくなり、効果は倍増です。
お金より「筋肉」をためる
高齢になるに伴って筋肉量が減少していくことを「サルコペニア」と言います。筋力の低下は健康寿命を損なう原因のひとつです。
筋力低下により、歩く、立ち上がるなどの基本的な動作がしにくくなると、外に出るのが億劫になり、ますます筋力低下に拍車をかけます。動かなくなると脳への血流も減りますし、人と関わらなくなると、会話が減り、会話が減ると認知機能の低下につながります。筋力は健康に長生きするためには不可欠と言えるでしょう。
筋肉量の減少は、70歳を超えてから自覚症状が出るという人が多いのですが、65歳以上の高齢者の15%ほどはサルコペニアに該当するという研究結果もあります。
でも、筋肉は、年齢を重ねてからも鍛えることが可能です。
私は、通勤時の他、時間に余裕があれば、いつもより多めに歩きます。加えて、クリニックで仕事をはじめる前に、次男がくれたエクサビートという振動運動を行うフィットネス器具に足を乗せて10分程度エクササイズをしています。気軽にできるので、文明の利器をうまく活用するのは便利だし、効率的でいいなあと思っているところです。新しいものも、毛嫌いせずに上手に活用したいですね。
年齢を重ねてからの激しい運動はおすすめしませんが、軽いストレッチをしたり、座ったままできる、太ももや腹筋を鍛えたりするトレーニングもあります。食事では、タンパク質をしっかりとるようにしましょう。