年をとっても動き回れる体をつくるにはどうすればいいのか。フィットネストレーナーのサイモン・ウォーターソン氏は「ハリソン・フォードが79歳で『インディ・ジョーンズ』最新作に出演したとき、重視したのは体の痛みをなくして柔軟性を高めることだった。それにはウェイトではなくチューブを使うトレーニングが最適だった」という――。

※本稿は、サイモン・ウォーターソン『インテリジェント トレーニング』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

古代都市ペトラ、ヨルダン
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アクションヒーローは若手俳優の専売特許ではなくなった

ダニエル・クレイグが初めてジェームズ・ボンドを演じたのは30代後半のときだ。最後のボンド役をやるころには、彼は50歳になっていた。だが、クレイグは年をとったことを理由にして、自分に対する要求を下げたりしなかった。

007として出演した最初の作品から5作目まで、クレイグと私は高いレベルでトレーニングを行ってきたつもりだ。トレーニングをたくさんこなす25歳にも負けない、見事な肉体を誇りに思っている。最近では、アクションヒーローになるのに20代や30代である必要はない。20代のときの見た目よりも50代では見栄えがしないなどと誰が言えるだろう? クレイグと私はただこう思った。「そんなことはどうだっていい。ただやってみて、何ができるか確かめてやろう」と。

映画業界ではもはや、アクションシーンは若手俳優にしか演じられないものではなくなった。社会全体の身体づくりに対する考え方が大きく変わったからだ。年齢だけで健康かそうでないかを判断することはできない。私はこうした傾向が続いてほしいと思っている。