1日に飲めるお酒の量にリミットを設けた理由

大将のお店では、1日に飲めるお酒の量の上限が決まっていました。

こういった商売をしていると、その日の売上のために飲むのを薦めることはあっても、止めるなんてことは普通はしないので、本当に「変」なお店です。

飲める量は点数制で、1日で1人あたり合計10点までしか飲めません。

例えばビールは1本2点。生ビールも瓶ビール(大瓶)も点数が一緒でしたが、その理由は今となっては分かりません。たぶん考えるのが面倒くさかったのでしょう(笑)。

他には日本酒1合が2点、焼酎の梅割りが3点、各種サワーは1点でした(ついでに細かいことをお話しますと、お店が狭くて氷を置くスペースがなかったために、サワーには氷が入っていませんでした)。

レモンの入った酒
写真=iStock.com/kuppa_rock
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このように、それぞれ点数が決まっていて、平均すると最初の1杯プラス3杯程度が飲める仕組みになっていたのです。

とはいえ厳密に点数計算をしていたというよりも、アバウトな目安ではありました。お酒が強い人は15点ぐらい飲んでもいいですし、弱い人であれば5点も飲まないうちに大将からストップがかかることもあったようです。

このルールには、もちろん飲める量を制限することで、酔っぱらって暴れるのを防止したり、お客様同士のトラブルを防止するという意味もありましたが、同時に「飲みすぎて明日来られなくなるより、程よく飲んで明日もまた来てね」というメッセージが込められていました。

つまり大将は、お客様には一度来て終わりではなく、何度も来て、常連さんになっていってもらいたい、という思いが強かったのです。