3歳娘の観察力の鋭さを知って驚いた
前田さんが著した『クレオとパトラのなんでナンデさくぶん』(大和書房)は、その良い参考書となるだろう。
ワークショップでは、わが子がこんなに立派な作文を書けると初めて知って、思わず涙ぐんだ保護者もいたという。親も教師も、子供たちの隠れた能力を、案外、知らずにいるのかもしれない。
前田さん自身も、わが子の観察力の鋭さを知って驚いたことがあった。
「娘が3歳のとき、いっしょにテレビを見ていたら、ドラマの主人公が泣きだした。『どうして泣いたと思う?』と聞いたら、娘が『うれしかったからだよ』と答えたので、びっくりしました」
3歳でも、うれしくて泣くという感情表現が理解できているのだ。こんな子供のすぐれた感性を文章化していく方法の探求を、これからも前田さんには期待したい。
(撮影=萩原美寛)