偽造インボイスを受け取ると追徴課税も

もちろん、この「偽造インボイス番号」は消費税制度の根幹を破壊するものなので、厳しい罰則があります。

「適格請求書類似書類等の交付の禁止」として、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」という罰則が定められています。懲役刑ですから結構重たい罰則です。

自分で偽造しなくても、「偽造インボイス」を受け取ってしまうリスクも考えられます。

もし仮に、外注先・仕入れ先からもらったインボイス番号をチェックしなかった場合、一応インボイスはあるので、もらった消費税1000円から払った消費税200円を引いた800円を税務署に納めます。

【図表4】偽造インボイスの受け取りリスク
筆者作成

ところがその後税務調査に入られ、仕入れ先からもらったインボイスが実は偽造だったと判明したとします。

その場合は払った200円については認められないことになりますので、追徴課税として、税務署に200円+延滞税などを納めることになります。

つまり、番号をチェックせず、偽造インボイスを受け取ってしまうと、追徴課税されるリスクにつながるのです(注)

そのため、単発取引や小規模な商店からもらったレシート・領収書でも、全てインボイス番号のチェック作業が必要になります。

(注)税務専門誌での国税当局へのインタビュー記事で、「買手が社会通念上相当と認められる注意を払っていたにもかかわらず、その保存がないことにつき『買手の責めに帰さない状態』にあると認められる場合には、個々の事実関係を踏まえて、消費税法第30条第7項ただし書きに規定する『災害その他やむを得ない事情』が適用される場面もあると考えています。」という発言がありました。そのため、偽造インボイスを受け取っても許される可能性もあります。