簡単に「借りパク」できてしまう
同名の企業の法人番号を使った「偽造インボイス番号」の可能性は結構あるんじゃないかと言われています。
国税庁の「法人番号公表サイト」で会社名を検索すると、同名企業の一覧が出てきます。
例えば「朝日」と入れて検索してみると、名前に「朝日」とつく会社が約4500社も出てきます。
法人番号はこれで簡単に調べられます。「インボイス登録番号」もこれだけでわかってしまうので、インボイス登録事業者の番号を簡単に「借りパク」できてしまうのです。
「住所が違うからすぐバレるんじゃないか」と思われるかもしれません。
ですが、実は、「インボイス」つまり「適格請求書」の要件に、「住所」は入っていないのです。
だから請求書に住所がなくても、インボイス制度上は問題ありません。
さらに、インボイス番号を借りた元の会社の住所を請求書に書いてくるということも、ネット上のやり取りしかない相手であれば、できるかもしれません。
「借りパク」で消費税分をまるまるもらえる
そもそも、「請求書上の住所」として、必ず登記簿上の住所を書かなきゃいけないというルールもありません。
例えば、ある東京の会社が、福岡にある同名企業のインボイス番号を「借りパク」し、請求書に福岡の住所を書いたとしても、「いや実はうち本社が福岡なんですよ」といった嘘をつくことも不可能ではないということです。
また、これから会社を設立する場合なら、まず既存の企業とあえて同じ名前で会社を作り、その同名企業のインボイス番号を借りパクして偽造インボイスを発行すれば、消費税分をまるまるもらうことができます。
さらに、新設会社の資本金が1000万円未満なら、設立後の最初の2年間は消費税が免税ですから、消費税を納めなくて済みます。
つまり、消費税分をもらうだけもらっておいて、自分では税務署に納めないという、非常にお得なことができてしまいます。