投資に「絶対の正解」はない

ただ、やり方はシンプルですが、実際には値動きを気にせずに積み立てを続けるというのは、心理的にはかなり難しいことです。誰しも価格が上下すると心の中がざわついてくるからです。ですからもし投資を始めるのであれば、失敗することは想定の中に入れ、最初は失敗してもそれほどダメージが大きくならないように、少額から始めるのがよいでしょう。

もちろん、そうした投資信託の積み立てが、必ずしも一番よい方法というわけではありません。投資の方法は千差万別で、「これだけが唯一絶対の正解」というものはないからです。でも、できるだけ“シンプルに増やしたい”ということであれば、この方法が一番よいと思います。

私は定年の時にほとんど蓄えはなかったと言いましたが、定年後もずっと働き続け、毎月定額を自動引き落としにして積み立て、そのお金でグローバルに分散する投資信託を購入し続けています。仕事が忙しい自分にとっては、この方法が最も楽だからです。

シンプルだが実行は難しい

大江英樹『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』(光文社新書)
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最初の話に戻りますと、「お金を増やすこと」はそれほど難しいことではないのです。普通に働いて、計画的にお金を貯めて、できる範囲内でシンプルに投資を続けていく、という単純なことをしていれば、自然にお金は増えます。

一番大きな問題は、このシンプルなことを頭で理解するのは簡単で誰にでもできますが、実行するのが難しいということです。でも、本当に「お金を増やしたい」と思っているのであれば、その最も簡単な方法は、ここで述べた1から3までの流れをルーティン化し、続けることでしょう。

一番大切なことは続けること。それができれば、お金を増やすことはそんなに難しいことではないのです。

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