<ゴミ屋敷の外にも中にも折り重なるように犬の死体が――:ニューズウィーク日本版ウェブ編集部>
檻の中の動物
写真=iStock.com/vladimirst
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多くの犬や猫を飼育する飼い主が無計画な飼い方をした結果、飼育できなくなる多頭飼育崩壊が近年問題になっている。だが、これほどの規模の惨状はかつてなかったのではないか? なんと1400匹もの犬が、エサを与えられず、餓死していったのだから。

韓国のソウル近郊にある京畿道楊平郡(キョンギド・ヤンピョン)で古物商を営む60代男性が、自宅で数多くの犬を餓死させたとして、動物保護法違反の疑いで警察が在宅立件、捜査を開始した。デイリー・アンなど韓国メディアが報じた。

1匹1000円で引き取っていた

問題の老人による虐待容疑は、迷子になったペットを探していた住民が、たまたま老人宅にあるゴミの山で犬の死がいを発見し、動物保護団体に通報したことで発覚したという。

それは筆舌に尽くしがたい惨状だった。ゴミ屋敷の中に入ると鉄製の檻があり、その床には犬の死がいが貼り付いている。なかには骨があらわになったものもあった。檻の中だけでなく、庭の隅に置かれた赤い瓶をはじめ、いたるところに犬の死がいが野積みになっている。

通報を受けた動物愛護団体「ケア」は、老人のゴミ屋敷を訪問した際の様子を「史上最悪の動物虐待。3年間収集して集めた数百匹の犬たちすべてを飢え死にさせた現場に行ってきた。死がいは300~400匹を超えるようだ。死がいはすでに腐って床に貼り付き、その上に新しい犬を入れて、さらに飢え死にさせている」と報告。「エサのない犬たちは、隣の仲間が死んだらその肉を食い尽くして、また飢えて死んでいった」と説明している。

警察によると、古物商の老人はブリーダーなどから年老いて繁殖能力がなくなった犬を1匹1万ウォン(約1000円)程度をもらって引き取り、連れてきた後はエサを与えらず餓死させたという。老人は「廃品回収をしながら、人びとが飼うことができない犬をお金を受け取って連れてきたが、エサ代が高くて飢えさせた」と語っている。