文章を書くにも、ルールを覚える必要がある
文章を書く場合にも、同じことが言えます。「思いついたことを、思いついたままに自由に書きましょう」と言われるのですが、これでは、自分の考えを他の人に正確に伝えることはできません。
考えを整理し、ルールに従って正確な文章を書く必要があります。文法や言葉の意味を正しく理解し、それに従って書く必要があります。
つまり、文章の書き方についても一定のルールがあり、それに沿った文章を書くことが必要なのです。
同じことが、スポーツについてもいえるでしょう。自己流でやるのではなく、指導者について、正しい方法で体を動かす訓練をしなければなりません。
学校制度は人類最大の発明
勉強も同じことです。先人たちが作り上げてきた問題を解く体系が学問の体系なのであり、それを学んでいくことが勉強なのです。それによって、これまでの人々が開発した知恵を最大限に使うことができます。
学校で、そのような勉強をする機会を与えられたことを感謝すべきです。われわれは、そこで人類の知的財産を学んでいるのです。学校制度は、人類の最大の発明です。
なお、学校で学ぶことだけが勉強ではありません。独学も重要です。
これについては、拙著『「超」独学法』(角川新書、2018年)、『人生を変える「超」独学勉強法』(プレジデントムック、2021年)を参照してください。
重要なのは「疑問を抱き、質問すること」
暗記の重要性について述べましたが、しかし、「疑問を抱いてはいけない」ということではありません。この点は誤解していただきたくないのですが、まったく逆であり、疑問を抱くのは非常に重要なことです。
ニュートンが「リンゴが落ちるのに、なぜ月は落ちないのか?」と疑問を抱いたのは、非常に重要なことだったのです。それが、物理学の体系を築き上げる出発点になりました。