パクるときには礼儀を忘れない
東京でなくても、地域のハブになる部署などに、情報源となる人を見つけて普段から仲良くしておくことです。「提案ができる人」は内心そのことを自負しているものです。教えたがり屋タイプもけっこういます。「教えてください」と素直に下手に出れば、すんなり教えてくれることも多いです。
ただし、その人に助けてもらったこと(情報元であること)は周囲に伝え、お礼の気持ちとして協力してくれた人のプライドをくすぐることは忘れないでください。
同じ会社ですが悪い例もあります。地域は別ですが、本人の許しもなく勝手に資料を拝借してしまい、自分でつくったふりをした不届きな営業がいました。苦労した資料を無断で盗まれたので、相手の人は二度と教えてくれなくなりました。噂はすぐ広まり、社内での提案情報の共有化がその後難しくなった時期があったそうです。
「提案ができる人」の提案やノウハウは大切な知的資産です。社内とはいえ著作権と同様の敬意をはらい、オリジナルの作成者や参照先を明記するなど、リスペクトを持って知恵をお借りするのが人としての礼儀です。
正しい作法に従った提案書の社内再活用は、立派なナレッジ・マネジメントです。既存の提案ベースに新たな要素を加えることで、さらに提案レベルの底上げを図ることができます。
反対に、礼を欠いた盗作はやめてください。「これぐらいいいだろう」と軽く考えるかもしれませんが、ルール違反です。お互い疑心暗鬼になり情報共有が難しくなります。信頼を築くには時間がかかりますが、失うのはあっと言う間です。一度切れた情報共有のチェーンをつなぎ直すのは容易なことではありません。