ロシア軍が、再構成された機械化部隊を予備軍として保有しているのはほぼ確実だが戦力は限定的で、ルハンスク州の「現在の情勢を大きく変えることはできないとみられる」と、ISWのレポートは述べる。
ロシア軍が「一時的に」勢いを増す可能性はあるが、その場合でも「目標に遠く及ばないところで、攻撃の限界点に達する可能性が高く、戦場で大幅に進軍するには至らないとみられる」と、ISWは付け加えた。
アメリカの軍事関連シンクタンク、海軍分析センター(CNA)でロシア研究ディレクターを務めるマイケル・コフマンは2月18日、出演したポッドキャスト「ウォー・オン・ザ・ロックス」で、ロシア軍の新たな攻勢は、ウフレダールへの攻撃を皮切りに3週間前に始まっていたと指摘。ドネツクおよびルハンスクの2州では、5つ前後の前進軸が設けられていると指摘した。
この攻勢を「迫力不足」と呼ぶコフマンは、ロシアが再び徴兵による兵士の動員を行わない限り、「攻撃の密度が増すことはあっても、支配地域を広げるには至らないだろう」との見方を示した。
「ロシア軍が、現状よりもはるかに規模の大きな攻撃を仕掛けるには、2回目の動員を行わなければならない」とコフマンは言う。「数十万人規模の追加の人員」が必要だという。
一方、アメリカのジョー・バイデン大統領は2月20日にキーウを電撃訪問し、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナへの支援を改めて約束した。
(翻訳:ガリレオ)
当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら