「先取り言葉」は相手を冷静にさせる効果
「Iメッセージ」以外にも、上手に自分の意思を伝える便利な言い回しがいくつかあります。私がよく使うのは「○○さんはそんなつもりではないと思いますが……」という言い回しです。
私もマウンティングしてくる上司に対しても使った記憶があります。
「○○さんはそんなつもりは全然ないと思いますが、さっきの言葉はなんだか責められているようで、正直ちょっと怖かったです」
相手が自分を責めてきたと感じたときに、この言い回しを使うのです。すると相手は「いや、そんなつもりではないんだけどね……」と少し冷静に自分を振り返るようになります。
ちょっと冗談ぽく言えるようになると、むしろ上司も「それは悪かった」と笑いながら返してきて、場が和んだりしました。
同じような便利な言い回しがいくつかあります。
「こちらの勘違いだったらごめんなさい。私はこう受け取ったのですが……」
「こう言うとまた怒られるかもしれないのですが……」
「おかしな人間だと思われるかもしれませんが……」
このような表現は、相手の気持ちを先回りして言うことで、相手を冷静にさせる効果があります。いきなり自分の考えを言う前に、相手の気持ちを先取りする。「先取り言葉」はかなり効果的です。
気をつけなければいけないのは、あまり作為的になりすぎないこと。たとえば「ここだけの話だけれど……」「あなたを信用しているから話すのだけど……」というようなフレーズがあります。
本当に率直な気持ちから出た言葉であればよいのですが、相手を操作しようという意図が前面に出てしまう人がいます。そういう人は逆に「あやしいな」「何かありそうだな」と警戒心を抱かれてしまうので逆効果です。