お通しに生キャベツは理に適っていた
そういえば、焼き鳥や、串揚げのお店で味噌やマヨネーズと一緒に、生のキャベツがお通しで出てくることがあるが、これはまさに「理に適っている」ということになる。
余談だが、ビタミンU(キャベジン)は正式にビタミン類に分類されている成分ではない。とはいえ、胃腸薬の名前にもなっているように、胃の健康維持に役立つことは既に知られた事実。ただしキャベツを食べるときはなるべく生に近い状態が望ましい。なぜならばビタミンUは水溶性で熱に弱いからだ。
ビタミンUは、キャベツ以外にも、ブロッコリーやアスパラガスなどにも豊富に含まれているので、これらをとってもいいだろう。このほか、松嶋さんは、豆、山芋、オクラといったネバネバ系の食材もお勧めだと話す。
悪酔い予防にはタウリンやセサミンを
ここまでの話で、酔いを遅くする(=血中アルコール濃度を急激に上げない)ための食べ物はわかった。では、酒席で杯が進んだ後、血中アルコール濃度をできるだけ早く下げ、悪酔いや二日酔いにつながらないようにするために、何かできることはないのだろうか。
それは「アルコールの分解に必要な代謝物を補う」ことだと松嶋さんはいう。
「お酒を飲んで既に上昇してしまったアルコール血中濃度は、すぐには下がりません。しかし、肝臓での代謝を助ける成分は摂取したほうがいいでしょう。例えば、タコやイカに含まれるタウリン、ひまわりの種や大豆などに含まれるL‐システイン、ごまなどに含まれるセサミンなどです。
もちろん、水分の摂取も必須です。アルコールの利尿作用によって尿量が増えて脱水症状に陥りやすいため、それを防ぐためにも水分は飲んだ後に限らず、お酒を飲んでいる最中も飲むようにしましょう。飲んだ後は、体内の水分維持効果がある電解質が含まれる飲料が効果的です」
食前、食中、食後と、シーンによって、食べ物(つまみ)を一考することによって、「もうしばらく酒を飲みたくない」と後悔するまでの二日酔いは自分自身で防ぐことができる。
しかしながら、個々人のアルコールの分解能力は限界があり、それを超えればどんなにつまみ選びに気をつけても必ず二日酔いになる。飲み過ぎにはくれぐれも注意したい。