NHK勤務で大河ドラマの仕事をしている人は一握り

でも実際、バーでお客様を見ていて、「会社名」が出ると、話題がつまらなくなるときがよくあるんです。

例えば、よくある会話で、「お仕事何をされてるんですか?」「テレビ関係です」「どのテレビ局ですか?」「NHKです」となってしまうと、ほとんどの方が、紅白歌合戦とか大河ドラマとかの話題をそのNHKの方にしてしまうんですね。

もちろんNHKの方も慣れているとは思うのですが、まあほとんどの人が紅白や大河とは関係ない仕事をしていますよね。そういう人はこの話題に全く興味がなかったりしますよね。でも、しばらく紅白の話をしなきゃいけないというパターンがあるんです。

こういうことってよくあるんです。Googleで働いているって言ったら、検索機能の話題をふられると思うのですが、日本でGoogleに勤めている人のほとんどが「検索機能」とは関係ない仕事をしていますよね。

でも、「検索で上にいくには」って会話を毎回ふられて、「それはですね」みたいな話をしているはずなんです。

そういうことが嫌なのかどうなのか、「自分が勤めている会社名を言いたくない」っていう人が結構いるようなんですね。

まあメーカー勤務の人ならしばらくの間、自分の仕事とは関係ない「みんなが知っている商品やCMの話」をしなければいけないのが退屈なのかもしれません。

世の中に浸透してほしい会話のルール

そういうことを避けるという意味では、「トヨタで働いています」よりも「自動車メーカーで人事をやっています」って答えたほうが、話はズレないですよね。

「人事の大変なところってどういうところですか?」とか、「特別な技術を持った人を作らずに、営業も商品開発も全部やれる人間を作ろうとする日本の会社の習慣ってまだあるんですか?」とかいろいろ話題は深くなります。

なんでも「アメリカのほうがいい」というのはあまり好きではありませんが、やっぱり所属している会社名を言うよりも、自分がやっている職業を言うほうが、話題もトンチンカンなことにならないし、お互い深い話ができますね。

林伸次『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)
林伸次『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)

今、世の中がどんどん変化している時代です。日本のメディアの名前の後ろにカッコで年齢が入っているあれも、そろそろなくなるかもしれません。

ブラジル人が家族構成を質問するのも、もしかしたら今は変わっているかもしれません。日本だと「結婚しているの?」とか「恋人いるの?」とかは公共の場では聞かなくなりましたよね。

妻の友達で、そういうプライベートなことは一切質問しない女性がいるそうなんです。でも彼女、妻が「娘がいる」って言ったら、そこで初めて娘について話すし、妻が「両親が」って言ったら、そこで初めて「両親」の話をし始めるそうなんです。

たぶん、彼女の中で、「プライベートな話題は相手が話したがっているのがわかったら、その話題に踏み込む」って決めているのでしょう。

これ、ルール化したいですよね。会社名、未婚・既婚、恋愛、年齢、相手みたいな話題は、相手がしたそうだったらし始めるっていうルールが一番ですよね。

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