共感は「どちらが上か下か」と真逆

例えば、複数人で「映画の話をしましょう」というテーマがあったら、やっぱり多くの男性は、「自分が詳しいジャンルの映画の話」に持ち込もうとします。

そして、その場の話題が、例えば「自分がよく知らないSF映画の話題」で盛り上がっていると、つまらなそうにしたり、話題を変えようとしたりします。

想像ですが、男性は多くの場合に会話で「感心されたい」「すごく詳しいんだなあと思われたい」っていう気持ちが働くのではって思うんです。もちろん人によりますが、男性はどうしても「どちらが上か下か」というのを気にするんですよね。

「共感」はむしろ逆です。よくよく考えれば会話に共感をするって、相手の土俵に乗るということで、普通のことですよね。少なくとも「どちらが上か下か」よりもよっぽど健全です。

でもそれを理解できない男性が、「女性の会話は共感を求めているだけ」と揶揄しているだけなのではないでしょうか。

ともかく、「この人とは会話が合う」と思われるには、「会話を自分の土俵に持ち込まない」というのを常に心がけることが大切です。「相手の土俵で話そう」と考えるのが大切なようです。

なぜ、日本人は相手の「年齢」「所属組織」を知りたがるのか

以前、ヨーロッパ滞在が長かった日本人男性が、会話の中である人物のことを話し始めたときのこと。

話題上、僕が人間関係を把握したくて、「その人って何歳ですか?」って聞いたところ、「いや、わからないです。僕、人に年齢を聞く習慣がないもので」って答えられて、「あ、そうか。年齢を知りたいって日本人特有の発想なんだな」と反省しました。

僕たち日本人はほんと「年齢」を知りたがりますよね。テレビや新聞を見ていても、名前の後に(34)みたいに必ず年齢が書いてあります。韓国でもそういうことがあると聞くので、やっぱり年齢が上の人間を敬わなくてはいけないという儒教と関係あるのでしょうか。

ブラジル人って必ず「はじめまして」のときに、相手の「家族構成」を質問するんです。結婚しているのか、独身なのか、子供はいるのか、両親は健在なのかって一通り質問するんです。あれ、結構面食らうんです。

例えば、ブラジル人とよく会話をしていた当時、僕が「恋人はいて、その彼女は娘がいて」って言うと、「彼女とは結婚しないの?」ってすぐに聞くんです。でも、ブラジル人は「家族が全て」だから、それを質問するのって当然だと思ってるんです。

こういう「その人のプライベートな情報の何が知りたいか」って国や時代や文化によって違いますよね。それで、やっぱり日本人は「どの組織に所属しているのか」っていうことに、すごく興味があるんだと思います。

何かで読んだのですが、アメリカ人は仕事を質問されたら「職種」を答えるんですよね。会話の中で「トヨタで働いています」って日本人が言うと、アメリカ人は「トヨタの工場のラインで働いている」と思うそうです。

だから、アマゾンで働いているとか、東急で働いているとかって言わずに、「デザイナーをやっている」とか「広報をしている」とかって職種を言う必要があるそうです。まあ僕たち日本人は、「どこに属しているか」という会社名をどうしても重視してしまうんでしょうね。