※本稿は、林伸次『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)の一部を再編集したものです。
大手コーヒーチェーンの接客に違和感
先日、ある大手チェーンのカフェで並んでいたところ、前に並んでいたすごく上品なおじいさんがカウンターで、「コーヒー、1つもらえますか?」と注文していました。
担当した店員は、「コーヒーは本日のコーヒーが◯◯の豆です。エスプレッソならアメリカーノとラテと△△がございますが~」みたいなことを言って対応したんですね。
おじいさんはその場で固まってしまったんですが、しばらく悩んでやっと注文したんです。
そこにさらに店員が「サイズはショートとトールとグランデがございますが」って言うと、またそのおじいさんは固まってしまって、しばらく悩んでいると、そこに店長の名札を付けた男性が登場しました。
僕は、店長ならわかりやすく説明できるだろうなと思っていたら、店長はメニューを指差して、「サイズはショートとトールとグランデがあるんです。どれがいいですか?」って大きい声で言うだけだったんです。
おじいさんが困っていたことって、そういうことではないと思ったんですが、気圧された感じでメニューを指差して注文が決まっていたようでした。
うーん……、こういうシーンって時々目撃しますよね。
おじいさんが「コーヒー、1つもらえますか?」と言ったということは、おそらくエスプレッソとかスペシャリティコーヒーとかをよく知らない人で、オーソドックスなホットコーヒーを飲みたいんだろうなって、察しがつくと思うんです。
チェーン店だからマニュアルがあるのかもしれません。チェーンとはいってもお店としてのこだわりもあると思います。
でも、人が人の接客をしているのだから、その場その場で臨機応変に対応してほしいなあと思ってしまいました。大きさなら、本物のカップを見せればおじいさんでもすぐ理解できたと思うんです。