自分が知っている話題を挙げても盛り上がらない

例えば、海外からの旅行者と話すことになったとき、自分が知っているその国の話をしてしまいませんか?

「あの歌手のCD持ってるよ」とか「○○料理美味しいよね」とか「友達に○○人夫婦がいるよ」って感じで、自分では相手のことを気遣って話しているつもりなのですが、それって基本的に「自分の話」なので、話題がどこにも広がらないし、面白くないんです。相手も「そうだね」としか答えられません。

でも、会話が上手な海外の人と話すと、例えば、「日本語って、チャイニーズ・キャラクター(漢字)使ってるよね。他にも何か文字があるの?」って感じの質問をしてくるんですね。

そしたらこちらとしては、「ひらがなとカタカナっていう、二種類の文字がありますよ。それを交ぜて使ってます」って答えると、「それ、すごく難しいんじゃない。どうして1つだけの文字にしないの?」ってなって、会話が発展していきます(もちろん会話が苦手な海外の方もすごく多いです)。

会話を自分の土俵に持ち込みがちな男性

あるいは、僕が「バーを経営しているんです」って言ったとしますよね。

そしたら、自分の話をしてしまう人は、「『レモン・ハート』っていうバーのマンガ、よく読んでたなあ」とか、「昔銀座のバーって、行ってみたら、2杯しか飲んでないのに8000円で……」って感じで、自分が持っているバーに関する話をするんです。

バーカウンターの後ろで働いている間にデジタルタブレットを使用して若い男のショット
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです

それだと「ああ、そのマンガ、面白いですよね」とか「銀座ってそういうものなんですよね」って、僕が話を合わせて、そこで会話が止まってしまいます。

ところが会話が上手な人だと、「すいません、バーってめったに行ったことないんですけど、どういう層の方が利用するんですか?」って感じで、僕に向かって質問してくるんですね。

それなら「マスコミ関係者とか、今、業績が良い業界の人とか、あとはカップルとか、口説きたい人ですかね」って答えたりできるし、「やっぱりバーってカップルの需要が多いんですか。口説けるものなんですか?」みたいな感じで、いろんな方向に話を展開できます。

で、本当に申し訳ないのですが、自分の話をする人はやっぱり男性に多いのです。意図しているわけではなく、「会話を自分の土俵に持ち込む」っていうパターンにしてしまいがちです。