図(1)は、わが国における結婚した男女の年齢差を調べた結果である。この図のベースとなったデータは、厚労省の人口動態統計である。
この図は、初婚夫婦の年齢差ごとの婚姻件数を経年(1970年→95年→2010年)で、示す。ここから、いくつかの興味深い特徴を指摘できる。(1)現在(10年時点)では、年齢差の小さい者同士の婚姻が多い。一番多いのは、夫妻同年齢の婚姻。ついで、夫1歳上や夫2歳上が続く。(2)しかし、今から40年前の70年においては、夫3歳上の婚姻が一番多い。同年齢婚姻は、夫2歳上・4歳上・1歳上・5歳上、そして夫7歳以上の婚姻より少ない。この40年の間に、他の年齢差に比べて、同年齢婚姻の割合が大きく増えた。(3)その半面だが、夫が3歳上から4歳上・5歳上・6歳上、そして7歳上以上の婚姻は、同じこの40年間の間に激減する。
なぜ「夫妻同年齢婚」は40年で倍増したか
細かく変化を見たのが図(2)だ。
70年から10年の同じ期間、10年ないしは5年ごとの婚姻年齢差別の割合の推移だ。(1)同じ傾向だが、この70年には、夫年上の婚姻件数が全婚姻の約80%を占めていたが、10年では、約56%と大きく割合を減らしている。(2)「同年齢の婚姻件数」は、70年に約10%だったものが、10年では約20%と割合では倍に増えている。(3)もっと割合が増しているのは、「妻年上の婚姻件数」である。それは、70年には約10%でしかなかったのに、10年では約23%と倍以上の割合になっている。(4)95~00年あたりで、夫年上婚姻件数の低下傾向は終わりを迎え、その後10年においては比較的安定した傾向が続いている。
同世代ないしは1歳か2歳違いの、年齢差の小さい男女の婚姻割合は、この40年の間に大きく増えた。これが、今回取り上げたい発見である。