言いにくいことは何でもメールで報告する同僚。これでいいのか

ジャック・ウェルチ　Jack Welch●1935年、米国マサチューセッツ州生まれ。マサチューセッツ大学卒業後、イリノイ大学で博士号を取得、ゼネラル・エレクトリック社入社。副社長、上席副社長を経て、副会長に就任後、最年少の会長兼最高経営責任者となる。「フォーチュン」誌の「20世紀最高の経営者」に選ばれた。（写真＝Getty Images）

私たちは電子メールを、人間の生活を根底から変えた、歴史上最も偉大な発明の一つととらえています。

先般、ブラックベリー（電子メール機能つき携帯端末）がつながらなくなったことがありましたが、あの日のことを考えてみればよくわかります。24時間にわたり、即時通信が可能になる前の生活を思い出さなければなりませんでしたが、とにかく何もできないという無力感を感じただけです。

それを踏まえたうえで申しますと、あなたのご指摘はまったくそのとおりです。電子メールを使うことで、隣の部屋からパンチを繰り出すように、人々は離れた場所から厳しいメッセージを送ることができるようになってしまったのです。

どうすればその動きを正せるのかはわかりませんが、個人レベルで努力することはできます。送信ボタンをクリックする前に「これは面と向かって話すべきか」と考えてみるのです。臆する気持ちを感じたら、答えは「イエス」です。難しいことではありますが、電子メールはやめて直接会って話すべきでしょう。