ビジネス案件の多くは、ネットワークビジネス?
その後、FPとして経験を積んでいく中で、より多くの人と会うようになり、より本格的なビジネス案件の勧誘も受けるようになります。
ただ、そのほとんどは化粧品・健康食品などの代理店ビジネス、投資や自己啓発などの情報商材販売ビジネスといった「ネットワークビジネス」でした。「藤原さんの知識や人脈があれば、このビジネスで絶対に成功しますよ」「藤原さんにビジネスパートナーになっていただければ、お互いにメリットがありますよね」と、ネットワークビジネスの勧誘では、皆、やたらヨイショしながらも、「一緒にやろう」「ウィンウィンの関係」を迫ってくるのでした。
もちろん、ネットワークビジネス自体がダメとは言っておりません。
ただ、ネットワークビジネスには強引な勧誘が多く、また、怪しい案件が多いのも否定できません。実際、私が受けた勧誘も、そのようなものが少なくありませんでした。そして、そんなネットワークビジネスの勧誘ではとくに、「一緒にやろう」系の言葉を使う人が多かったのです。
怪しいビジネス案件の、共通点
さて、もうお気付きかと思いますが、この「一緒にやろう」系の言葉こそが、怪しい(もしくは魅力的ではない)ビジネス案件の勧誘の際、よく使われる言葉です。
もっとも、これは様々な勧誘において少なからず使われる言葉なので、この言葉が出てきたら絶対にアウトとは言いませんが、この言葉をやたらと強調してくる場合は要注意です。
勧めてくるビジネス(商品・サービス)の魅力が薄かったり、勧誘してくる人にのみ大きなメリットがあったり、場合によっては法律に触れるようなビジネスだったりと、他にもなにか後ろめたい、もしくは突っ込まれたくない事情がある場合、それらを覆い隠す、この「一緒にやろう」ほど、都合の良い言葉はありませんからね。勧誘を受ける側にとっても、耳障りの良い言葉ですから。
ちなみに、この「一緒にやろう」を多用してくるような、怪しい(もしくは魅力的ではない)ビジネス案件の共通点として、他にも以下のような特徴が挙げられます。
・商品やサービスの説明よりも、報酬体系の説明に力を入れてくる
商品販売時よりも、新たな会員(ビジネスパートナー)獲得時の報酬が大きい。
・勧誘してくる本人が、とくに成功しているわけではない
成功しているどころか、成績が低迷しているケースも少なくない(もちろん本人は、口には出さないが)。
勧誘してくる本人が、最近、そのビジネスを始めたばかりというケースも多い。
・勧誘の場に、先輩や上司を連れてきたり、セミナーに誘ってくる
成功している(ほんの一部の)人の体験談を聞かせてくる(勧誘してくる本人は成功していない)。
・勧誘してくる本人が、そもそも、そのビジネスのしくみがよく分かっていない
明らかに、何らかの「勧誘マニュアル」そのままの表現が見受けられたりもする。
・さも、楽して儲かる投資話のように、勧誘してくる
「契約料と商品で100万円かかりますが、すぐに回収できます」といった具合に、お金を出せば、確実に儲かるような言い回しをしてくる。
・さほど親しくない人、疎遠になっている人からの勧誘である
「○○さんからの紹介でご連絡差し上げました」のように、まったく面識のない人からの勧誘も少なくない。