仕事でベストパフォーマンスを出すにはどうすればいいか。元JALのトップCA・桜井妙さんは「ベストを尽くすために必要なのは、完璧な準備だ。3つのポイントを押さえれば、心の姿勢を正し、ぶれずに道を進むことができる」という――。

※本稿は、桜井妙『元JALのトップCAが明かす ベストパフォーマンスを発揮する人の「接客力」』(大和出版)の一部を再編集したものです。

成功までのプロセスを考えるイメージ
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

イチローが言った「結果は本番前に決まっている」の意味

決意は、口で言うのは簡単です。

しかし、ベストを尽くそうと頑張っても、決意通り結果を出すのは難しいものです。私たちは結果が出せなかったときに、できなかった言い訳を探してしまいます。

そして、言い訳に責任を押しつけ「次こそは頑張ります」「今度こそベストを尽くします」と、また同じように宣言します。あなたにも身に覚えがありませんか?

このパターンを繰り返すと、周りに信用されなくなるか、言い訳をする自分自身に嫌気がさし、ベストパフォーマンスを発揮する心理状態ではなくなってしまいます。

いますぐこのパターンから、抜け出しましょう。

「ベストパフォーマンス」と聞いて私たちがすぐに思い浮かぶのは、イチロー選手ではないでしょうか。あるインタビューで、「結果は本番前に決まっている」とおっしゃっていました。

つまり、「一番大切なことは、試合前に完璧な準備をすること。準備というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していくこと。そのために考えうるすべてのことをこなしています」と。

いかがでしょうか。まったくその通りだと頷いてしまいます。精神論だけでは、よい結果を出せるわけがありません。

完璧な準備に必要な3つのステップ

私は訓練生の頃に、この「完璧な準備をすること」の意味を学びました。

試験勉強のために年末年始は帰省せず、故郷の成人式にも参加しないなど、訓練に支障がでそうな要因をとことん排除したのです。そうしないと、私の能力ではCAになれないと自覚していたからです。

しかし、準備は勉強だけでは不十分。健康管理も必須です。

学生時代は風邪をひいたら簡単に休んでいましたが、訓練中は休むと訓練が受けられません。自分の意志で、風邪をひかないよう健康管理をするようになりました。時間管理も当たり前。遅刻や無断欠勤という言葉は人生からなくなりました。

失敗を避けるために完璧な準備をする。そのために、言い訳のもとになりそうな要因を排除しました。

イチロー選手が常にベストパフォーマンスを出せるよう研究し、工夫を重ねたように、私にもいつもしていたベストを尽くすための準備があります。

・STEP1 目的と目標を明確にする
・STEP2 覚悟を決める
・STEP3 感情のマネジメントをする

この3つのSTEPは、シンプルですが心の姿勢を正し、ぶれずに道を進ませてくれます。次の項目から1つずつ見ていきましょう。