「目標」は常に変わっていい

先ほど述べたように、目標は経験を重ねるうちに変えました。

たとえば、あるときは日々の機内業務から外れることを目標にしました。

なぜなら、お客様に感謝の気持ちを直接伝えたかったから。この目標は「ふれあいメール」という企画として先輩を中心に5人で実行しました。

営業や広報も関わる大きな活動になりました。そして活動内容を先輩と2人で、役員会でプレゼンしました。役員会は部長も出席できない大きな会議です。

CAが役員会に参加することは異例中の異例。そこからこの活動は周知され、新聞や雑誌で紹介していただき、最終的に社長表彰をしていただきました。

私たちがなぜこの企画を実行しようと思ったのか、それには理由があります。

前年、JALは大きな事故を起こしました。それにも関わらず、JALを選んで乗ってくださるお客様に心から感謝していましたが、その気持ちがうまく伝えられないこと、よい接客をしたいのに心の底から明るい気持ちになれないことに皆葛藤していました。

これではいけないと突き動かされて、先輩と一緒に顧客様や関係者様全員に、感謝の気持ちを直筆で綴った搭乗御礼のハガキを出すことにしたのです。

これができた理由は、チーフから「なぜ」と問われ、自分の人生の真の目的に気づいたから。目的は「なぜ(Why)」で深掘りして、目標は「どのような(How)」と質問することで明確になります。

私の目的は「CAという仕事を通して、自分の人生を充実させること」、そう決めていたからこそ、「機内サービス」という枠を越え行動できました。

接客力を違う視点で捉え実行したことで、物事の見方の視野と考え方が大きく変わったのです。

あなたは、ベストパフォーマンスを発揮してどんな未来を手に入れたいですか?

同じ仕事をしていても、未来予想図は皆違います。

たとえば、「高い顧客満足を実現してサービスに磨きをかけたい」と接客業を極めたいCAもいれば、コミュニケーション力という強みを活かし「NPO法人でボランティアをして、たくさんの人と関わりたい」というCAもいました。

未来が目的になるのです。目的がはっきりすれば自ずと目標が見えてきます。