日中にもできることがある

寝る前に何かするだけでなく、日中の活動を意識して改善できることもあります。昼間にしっかり太陽光を浴びる、夕方によく歩いたり運動をする、コーヒーやタバコを避けるなどなど、日中の活動を意識して過ごしてみることで快眠ができればそれもまた、快眠のための習慣となるのでお勧めしました。

またBさんには、どの程度眠りがおかしくなると、日中のパフォーマンスが上がらなくなるのか、つまり日中のパフォーマンスが上がらなくなる限界を把握することもお勧めしました。上手に眠れなかった日があったとしても、翌日のパフォーマンスに影響がなければ気にすることはありません。例えば、3日間快眠できないのが続くとパフォーマンスに影響が出るのであれば、3日目には薬を飲むなどの基準を持って対処できることも安心感につながります。

Bさんは、最初から睡眠薬を試すことには乗り気ではありませんでした。そこでいろいろ試してみましたが、効果的な方法は見つからず、日中のパフォーマンスに影響が出るか、4時間も眠れないことが2週間続くようなときは、必ず専門家に行くようにとお伝えしました。

眠るためのお酒が習慣になったCさん

世の中には快眠の手引きや快眠グッズなどたくさんのものが溢れています。しかし、快眠のためにこれだけはダメ、というものもあります。

瓶に手をかけたまま、バーのカウンターにうつ伏せている男性
写真=iStock.com/South_agency
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健康診断の相談に産業医面談に来られたのはバツイチ2年目の50代男性Cさんでした。彼は部内では誰よりもエネルギッシュに働く社員でした。一人暮らしにも慣れ、仕事の後はジムやサウナ、週末はゴルフなど、寂しさを感じさせない充実した暮らしぶりのCさんでしたが、人間ドックの結果で肝機能が急に悪化していることを心配して産業医面談に来られました。聞いてみると、シングルになった後、夜は眠るためにお酒を飲むようになったとのこと。そして、1年前よりも今年の方が飲む量は増えてきているとのことでした。