他人の評価は秒で豹変するからまともに向き合うな

笑われるかもしれませんが、僕、自分のことは繊細な人間だと考えているんです。

裏切られたりするたびにショックを受けてきたし、男なのにメソメソ泣いてきました。テレビ番組ですぐドッキリに引っかかるのも、要するに心がピュアだからだと思っています。

男たちは別の男の背中にステッカーを貼った。
写真=iStock.com/vadimguzhva
※写真はイメージです

世の中には細かいことなんて一切気にしない精神的にマッチョな人たちもいますよね。でも、僕は「ガハハ!」って笑い飛ばすような豪傑野郎にはなれないんです。

例えばLINEを送ったけど、相手から返信が来ない。

「もしかしたら病気?」「電車に乗り遅れた?」「それとも嫌われている?」

……ビビリだから、いろんなことを勝手に想像して心配してしまう。自分の文章で相手が気分を害さないか、何度も読み返したりしますしね。

常に一番ひどい状況のことを想定するので、本当に最悪な事態には陥らないという言い方もできます。臆病な自分が嫌いな時期もあったけど、ガラスのメンタルだったからこそ、なんとか今まで生き残ってこれたという面も確実にあるでしょう。

メンタル防御術を身につけるうえで最初に覚えておいてほしいのは、「人の評価はすぐにくつがえる」ということ。これが鉄則。人前に立つ仕事をしている以上、僕もそれは常に頭に叩き込んでいます。

ファンがアンチに豹変することもあれば、アンチが急に「クロちゃんの言うことにも一理ある」と見直すこともある。

僕が新型コロナにかかったときなんて、モロにそうでした。それまで矢のような勢いで「死ね!」と言われてきたのに、「おいおい、大丈夫かよ」「クロちゃんのアホなツイートが読めないと、それはそれで寂しいな」「早く万全の体調に戻して、憎まれ口を叩いてくれ」といった応援メッセージで溢れるようになりましたから。普段との差があまりにも激しくて、さすがの僕もギョッとしましたけどね。

そこには愛憎入り混じる感情があると思うんです。でも人間、それが当たり前なんですよ。ここまであっさり世の中のリアクションは豹変するのに、いちいち一喜一憂していたら、自分を見失ってしまう。

ひょっとしたら、あなたのことを嫌いな人がいるかもしれない。だけど、「だからどうした?」という気持ちでいることが大事。そんなところでウジウジ悩むのは、貴重な時間を浪費するということです。

相手を心の中でバカにする

今はSNSの普及などで、誰でも発信ができる時代じゃないですか。配信をしている一般の子でも「気づいたら千人同時に視聴されている」なんてことは当たり前になっています。千人もいれば1人くらい「ブスだ」とか「キモい」など心ないことを言う奴が現れるかもしれない。

アンチが1人いたところで999人が味方だったらどうでもいいはずなんだけど、やっぱり叩かれ慣れていない人だと取り乱してしまう。「気にするな」と言われたところで、やっぱりネガティブな意見ばかりが頭に残っちゃうのもわかります。

これは別に芸能人や配信者に限った話じゃなく、普通の会社員や学生でも上司や先輩や先生から怒られることはありますよね。そのとき、自分に向かってくる批判の声を真正面から受け止めるから病んでしまう。

だから、そんな声は軽く受け流せばいいんです。もしくは逆転の発想で相手を心の中でバカにする。「この人は説明スキルがないから、こうして怒鳴り散らすしかないんだな。

上に立つ器じゃない。憐れな奴だ」って。自分よりも人間性能が低いという認識に切り替え、見下してやるんです。そうしたら腹も立たないでしょ?

ネットに沸くアンチにしても似たようなもので、「ディスるにしたってボキャブラリーが貧困すぎる」「いい年してかまってちゃんなんだろうな」とか上から目線で傍観しているうちに、「自分がムキになって、このレベルの人たちと言い争うようになったらおしまいだ」って気づくんですよ。この発想を常に持ってもらいたいんです。

これがメンタル防御の基本編。おそらく似たような話はどこかで聞いたことがあるかもしれませんね。次からは、さらに踏み込んだ話をしていきたいと思います。