普通だったらノイローゼ……

しかも僕の場合、『水曜日のダウンタウン』によって自宅が晒されているので、マンションの場所がほぼ割れているじゃないですか。だから家への嫌がらせも尋常じゃない。普通だったらノイローゼになりますよ。毎日が異常事態です。

僕だって別に嫌われたくて嫌われているわけじゃないですよ。でも「あえて嫌われ者役を演じているんでしょ?」「見る人がヒートアップするように世間を煽っている」という見方も一部にはあるみたいなんですよね。

プロレスでいうところのヒール(悪役)みたいな感じ。タイガー・ジェット・シンとかアブドーラ・ザ・ブッチャーが嫌われれば嫌われるほど、観客がヒートして興行全体は盛り上がるじゃないですか。

あるいは「悪名は無名に勝る」という表現がありますよね。「みんなのヘイトを集めることで、タレントとして存在感を出していくという戦略なの?」といういぶかしがる見方もあるようですが、そんな器用な真似は僕にできません。普通にナチュラルに嫌われているだけです(苦笑)。

ガラスのメンタルを守る術

そもそも僕はもともと芸人じゃなくて、本気でアイドルになりたくて芸能界に入ったくらいだから、わざわざ自分から嫌われようなんて考えるわけがない。「しめしめ、またバッシングされているな」なんて思わないですって。

先日、ラジオ番組で『アイドルマスター』でも活躍している声優・逢田梨香子ちゃんに聞かれたんです。「なんでそんなメンタルが強いんですか?」って。

実は彼女もSNSでたわいのない嘘をついたら、それがファンの間で大炎上したという過去があったらしくて、その際は相当思い詰めたらしいんですよね。

孤独な女性は家で落ち込んでいる
写真=iStock.com/Watto
※写真はイメージです

ただ、そこで僕は少し答えに窮しちゃったんです。逢田ちゃんは僕がすごくタフな男みたいに考えているようだけど、実際はビビリのチキン野郎。臆病者だし、ガラスのメンタルなんです。

じゃあなぜ飄々ひょうひょうとしていられるかというと、それはメンタル的なディフェンス術を身につけているから。ボクシングでいうとスウェーやダッキングでかわしている状態で、まともに攻撃を食らっていないんです。

僕はたまたま芸人で人前に出る立場だから、こんなに目も当てられない叩かれ方をしています。でも、現代社会に生きている人は多かれ少なかれ全員ストレスと向き合っているんじゃないでしょうか。

僕は自分の経験から心のダメージを減らす方法を身につけた。ここからそのやり方を順序だてて説明していきたいと思います。