裏切りによる勘当

宗教に入信して以来、母親は祖父母(自身の両親)から、宗教を辞めるよう、何度も説得されていた。しかし母親は祖父母に、「教団と縁を切るため」と嘘をついてお金を借り、それをそのまま教団に寄付してしまう。

後日、母親が教団を辞めていないことを知った祖父母ときょうだいたちは、真相を聞くため母親を呼び出した。話し合いの中で、母親は祖父母に返すお金もないし、教団を辞める意思も全くないことを明言。そんな母親を祖父母ときょうだいたちで説得していたが、母親の決意は全く揺るがなかった。

祖父母ときょうだいたちは、母親に「勘当になるか教団を辞めるか選べ」と迫る。母親はそれでも教団を辞める選択をせず、結局勘当されることに。

母親は実家の合鍵を返し、時任さん姉妹を連れて実家を出た。

鍵を渡す手元
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「以降、現在に至るまで、母は自身の姉から無視され続けています。ただ、勘当されたと言っても、私たち姉妹はよく祖父母の家に行っていたため、母と実家との関わりは全くなくなったわけではありませんでした。また、母のきょうだいたちも、母が宗教にはまったからといって、私たちまでは差別しませんでした。母がここまで宗教にはまってしまったのは、子育て中の母を独りぼっちにした父のせいだと、どこか同情的な空気にもなっていました。母の兄や祖父母は、なんだかんだ母が心配だったようです」

祖母はよく時任さん姉妹に、「あなたたちのことが心配だから、お母さんにお金や食料を渡すんだよ。お母さんのことはもう諦めている。あなたたちだけでもどうにかしてあげたいだけ」と話して聞かせた。

一方、母親の入信以降、父方の親戚からも距離を置かれた。