信仰と愛と努力で夫を変えられると思っていた
統一教会の洗脳を受け、知らず知らずのうちに日本人としての罪意識を植え付けられていた私には、この結婚は感謝でしかありませんでした。メシアの生誕した国である韓国と繫がれたこと、そしてイスラエルの民である韓国人(※)と結婚できたことを心から感謝しました。
※旧約聖書では、再臨するイエスを迎え、神のみ旨を成就する選民がイスラエルの民とされる。統一教会では、文鮮明が再臨のメシアであり、生誕の地の韓国人が〈イスラエルの民〉とされている。
少し変わった夫ではあるけれど、信仰と愛と努力で変えることができるのではないか。本気でそう思っていました。しかし人間が変わるということが、そんなに単純で簡単でないことを嫌というほど思い知るのです。
3年間の聖別期間を終えて夫が日本にやってくる
合同結婚式後は、3年に及ぶ聖別期間があります(※)。夫のひねくれた性格は、その後も度々私を困らせましたが、私たちは出会った瞬間から夫婦であり、夫婦にならなければならない関係でしたので、嫌なことも、気に入らないことも、生理的に受け付けないことも、すべて甘受しなければなりませんでした。それでも、今まで恋人を作れなかった私にとっては、とても新鮮で楽しい時間でした。それはまだ、韓国と日本で離れて暮らしていたからかもしれません。
※祝福結婚式に参加した夫婦が、同居し実際の家庭生活を始める(家庭出発)前に性関係を持たず、お互いに家族としての関係を育む期間とされる。当時は3年だったが、近年40日になった。
聖別期間が終わると、彼は住む家や仕事のない韓国を離れて日本に渡って来ました。私たちは日本で家庭出発(※)をすることになったのです。そして本当の地獄は、ここから始まろうとしていました。(後編に続く)
※合同結婚式に参加した二人が、聖別期間を経て、家族として同居し結婚生活を開始すること。