「牛乳」が健康によいとは限らない

学校給食の定番、牛乳。かつては自宅に届けてくれる牛乳配達も一般的で、だれもが毎日のように飲んでいました。しかし実は、牛乳は慢性炎症を引き起こしやすいと言われています。

その原因というのが、牛乳に含まれる「カゼイン」というたんぱく質。カゼインは消化されにくく、小腸にとどまる時間が長くなるため、腸に負担がかかり、腸に炎症を起こすと考えられています。そのため、前述のグルテンと同様に、とりすぎると、腸のバリア機能が低下して、そこから毒素が血液中に侵入してしまい、体に毒素や炎症が広がってしまうことがあるのです。

そのため、海外を中心に、グルテンフリー同様、「カゼインフリー」の食生活を送る人も増えてきています。牛乳の代わりに利用されるのは、豆乳やアーモンドミルクなどで、カゼインフリーのヨーグルトやチーズ、アイスなどが日本でも市販されています。

カルシウムは牛乳以外からも十分とれる

一方で、牛乳や乳製品をとらないとなると、栄養面で気になるのが、カルシウム不足です。牛乳にはカルシウムが豊富で、さらに他の食品よりもその吸収率がよいことで知られています。また、そのまま飲むだけでよいので、カルシウム補給のために牛乳をとっているという人も少なくないでしょう。

今井一彰『名医が教える 炎症ゼロ習慣』(飛鳥新社)
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けれども、心配は無用です。牛乳以外の食品からでもカルシウムを十分にとることはできます。

カルシウムが多く含まれている食品には、大豆製品や小魚、海藻類、緑黄色野菜などがあります。たとえば、もめん豆腐半丁(150g)には180mg、納豆1パック(50g)には45mg、さくらえび大さじ1杯には100mg、小松菜1/4束(95g)には162mgのカルシウムが含まれています。

成人男性に推奨されるカルシウム量は1日650〜800mg、成人女性は650mgですから、こういった食品を組み合わせて必要量をまかなうようにしましょう。

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