100万円を約20年で20億円にした男性

シン富裕層の中でも「ネット情報ビジネス型」は、「インターネットを活用し、株式投資や情報商材、動画配信などの新しい分野にいち早く飛び込み稼いできた、ファーストペンギンタイプ。決断が速い。情報入手にお金をかける。ビジネスを一人から少数で行い、外注をうまく使ったマイクロビジネスをしているため、フットワークが軽く、海外にも軽いノリで引っ越す人が多い」という人たちです。

光る株価チャートが浮かび上がったタブレットを持つ人
写真=iStock.com/ipopba
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インターネットを使った株の売買が可能になったばかりの2002~2003年頃から、株式投資に専念し、100万円を20年弱で20億円にしたという男性が、海外移住の相談に来ました。彼は東京の一流私大に入学した直後に大病を患い、大学に通えなかったときに、時間を持て余して株の売買を始めてみたといいます。

最初の1年は失敗続きで、元手の100万円がなくなりそうにもなりました。しかしその後儲かったり損をしたりを繰り返し、株式投資にひたすら専念するようになってから増え始めました。結局大学は中退し、実家に戻って、ひたすら個別株の売買に専念したといいますから、完全にプロのトレーダーです。

ライブドア・ショック(2006年)で数億円を失いましたが、その後も頑張って、リーマン・ショック(2008年)のときはあまり損をせず増やすことができ、アベノミクス(2013年~)で一気に増やし、資産が20億円に達したそうです。

彼は何事にも淡々としていて、特にこだわりのある趣味もないとのことで、30代後半の独身で、株式投資を延々とすることだけが楽しいとのことでした。株も、儲かったとか損したとかで大騒ぎせず、数字が増えると嬉しいな、とゲームのような感覚で取り組んでいました。だからこそ、乱高下する株の世界で勝ち続けられるのでしょう。

ナンバーワンホステスと結婚するも、当たり前に別居生活

その男性は、新宿ナンバーワンホステスの女性と結婚していましたが、私の感覚からすると不思議な関係でした。

ドバイに2、3年移住するというので、「では奥様もご一緒ですか?」とたずねると、「いや、彼女は海外が好きではないみたいだから、行かないと思うんですよね」と言います。夫は移住したいから行くし、妻は行きたくないから行かない。別々に暮らすことに、何のこだわりもしがらみもなさそうでした。世代的な違いもあるのでしょうか。それぞれが自分の気持ちに率直という印象を受けました。

彼の場合は働かなくていい資産を得て、毎日投資以外やることもなくヒマで、なんとなくクラブやキャバクラに行くようになり、たまたまその中の1人と仲良くなって結婚したとのことでした。

大富豪といわれる実業家が、動画配信などに登場し話しているのを見ていると、話し方や雰囲気など、すべての力が抜けている印象を受けます。表情も変につくらないし、誰に気も遣う必要もなさそうなふるまいです。暗号資産でシン富裕層になった人たちも、そういう力の抜けた雰囲気で、思うままに生きている印象です。

私みたいな凡人は、自分の買った株がどうなるのか、上げ下げするたびに一喜一憂してしまいます。そして焦って、高いときに買ってしまったり、安いときに売ってしまったりするのです。トレーダーは欲がないからこそ成功しています。