転落話は現代社会最大の娯楽

橘玲『バカと無知』(新潮新書)
橘玲『バカと無知』(新潮新書)

ネットで人気があるもうひとつのコンテンツは、「最貧困」や「ホームレス」などの転落話だ。これは下方比較が脳にとっての報酬だからで、不運が重なって社会の最下層に落ちていくような話は、自分が恵まれていることを確認させてくれるから、やはり現代社会において最大の「娯楽」のひとつになる。

徹底的に社会的な動物であるヒトは、自分が批判されることを過度に警戒すると同時に、集団からの逸脱行為をつねに監視し、自分より上位の者がそれを行なうと、「正義」の名の下に寄ってたかって叩きのめす。それと同時に、劣った者に対しては、自分の優位を誇示する(マウントする)ように進化したのだろう。

気に入らないかもしれないが、私もあなたも、こうやって生き延びて子孫を残した先祖の末裔なのだ。

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