家飲みに向かない「タイプA」

ではいったい、どういうタイプの人が家飲みに向かないのだろうか。

医師からうかがった話によると、「アルコール依存症をはじめとする精神疾患を抱えている人」が危ないという。特にアルコール依存症の場合、自助グループにおける人とのコミュニケーションが抑止力になっていることが多いので、孤独感を助長する状態はスリップ(再び飲み始めてしまうこと)をおこしかねない。

また、日本人に多い「タイプA」も家飲みに向かないと言われている。タイプAとは心理学用語で、時間的切迫感がある、負けず嫌い、いつもイライラしているなどの特徴を持つ人を指す。タイプAは自分に負荷をかえる生活を自ら選ぶことも多く、ストレスのはけ口がお酒になっていることが少なくない。そのため多量飲酒やアルコール依存症に陥りやすく、自制がききにくい家飲みは危険度がかなり高くなる。

ワインとビールの空のガラス瓶。アルコール問題の概念
写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz
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罪悪感を抱いてしまう人はさらに危険

しかし、自身の経験を通し、危ないのは何も精神疾患を抱えている人や、タイプAに当てはまる人だけではないと感じている。

これまで通りの常識が覆ったコロナ禍は、現在、潤沢に仕事がある人でも失職不安を抱えている人が少なくない。お酒を飲んで、楽しくなるならまだいい。問題はお酒が進むにつれ、ネガティブになり、自分を責めてしまう人だ。不安や自責の念を打ち消すため、お酒に頼るようになると、ますます酒量が増えてしまう。家飲みとなると、なおさらだ。

そして、さらに危険なのは「どうしてこんなに飲んでしまったんだろう……」と罪悪感を抱いてしまう人だ。90年代初めに、世界保健機関(WHO)が作成したアルコール依存症のスクリーニングテスト「AUDIT」にも「過去1年間に、飲酒後、罪悪感や自責の念にかられたことが、どのくらいの頻度でありましたか?」という設問もあるほどだ。

酒量を減らす前の私も、飲み過ぎたことに対し、日々罪悪感を抱いていた。通常は楽しいお酒の私でも、不安が重なれば簡単にネガティブなお酒になる。つまり、だれもがいとも簡単に酒量が増える危険性を秘めているのだ。

そんな危険を回避するためにも、ここで酒量をセーブする5つのポイントをお伝えしよう。