漁業でも女性は活躍できる

最近では女性の漁師志願者も出てきている。萩大島船団丸の船団長・長岡によると「海の神」は女性だそうで、漁船に女性が乗ると嫉妬から災いをもたらし、不漁になるという。

どうしても人が足りないときに「それなら私が船に乗る」と言って浜まで行ったことがあったが、すべての漁師から「ええけ、ええけ。大丈夫や。わしらだけでやる」と全力で止められた。

海の神のことはわからないが、一瞬のことが命取りになる海の上においては、男性に比べてどうしても肉体的に力が弱い女性が足手まといになるということは理解できる。それは差別ではなく、区別だろう。

そういった理由で萩大島船団丸では女性漁師は採用していないが、漁師たちが陸に戻ってきた段階から、女性が活躍できる場面はいくらでもある。魚の加工や事務作業などはその最たるものだろう。船団丸の加工事業の拡大に合わせて、各産地でも積極的に女性を採用していこうと思う。

売上管理など漁師たちには言えない経営者としての苦労も多かったという。
写真=畑谷友幸
売上管理など漁師たちには言えない経営者としての苦労も多かったという。

挑戦は続く

船団丸事業が有名になったことで、全国から漁師になりたい若者が集まってもいる。少しずつ事態が好転していく手応えを感じる毎日だ。

私も子育てとビジネスの両立に向けて、24時間全力で走り続ける日々がまだまだ続きそうである。

きっと多くの方に迷惑を掛けるのだろう。でも心配はしていない。私には多くの仲間がいる。

日本の漁業を変える私たちの挑戦は、まだ、始まったばかりだ。

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