そもそも輸入ポテチは「扱いづらい」ワケ
それゆえに、輸入ポテトチップスが国内市場で大きなシェアを獲得するには至っていない。価格が高いのは理由のひとつだが、八尋氏によるともっと根本的な点があるという。
「成城石井の立場からお話をすると、そもそもポテトチップスは比較的扱いづらい商品なんです。製造から日が経つほど油が酸化して品質が落ちるので、賞味期限が短い。本国からの輸送日数が余計にかかる輸入ポテトチップスは、そこがネックになります。販売のしやすさという点では国内産じゃがいもを国内の工場で加工して国内に流通させる国産ポテトチップスがどうしても有利になるんです」
スナック菓子は、ここのところの原材料費高騰によって世界的に値上がり傾向にある。さらに海外商品の場合は、昨今の円安がさらに価格を押し上げる。今は「ポテチ受難の時代」なのだ。
とはいえ、コロナ禍以降、巣ごもり需要による追い風もあってか成城石井の業績は成長している。2022年2月期の売上高は前期比5%以上増の約1097億円。黒トリュフポテチのヒットも、まさにこの時期と重なっている。なかなか自由に外出できない分、多少高くてもおいしいものを家で食べようという気分にマッチしたのだろう。今後も成城石井には、値上げの逆風に負けることなく、世界中のおいしいポテトチップスをどんどん輸入してもらいたいところだ。