養育費支払いは「20歳まで」その合計は1980万円

離婚して半年が過ぎた現在も、辻川さんは時々フラッシュバックに苦しむ。

「私が不倫相手に慰謝料の請求をしたのは、やはり気持ちに区切りをつけないと、前に進めないと思ったからです。不倫が発覚してから離婚が成立するまでの間、とても苦しんだだけでなく、夫との家庭も失いました。それなのに、不倫相手は何も失わず、のうのうと生きている。それがどうしても許せなかった。でもときどき自分がとんでもなく残酷な人間なのではないかと思うときがあります」

家庭を守ろうと一人で奮闘してきた辻川さんの大切な家庭を壊し、まだ幼い子供たちから家庭を奪うという、人として間違った「残酷なこと」をしているのは、紛れもなく不倫をした元夫と女性のほうだ。

窓際に座る孤独な女性
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです

離婚後まもなく、長男と長女がコロナを発症。辻川さんは念のため元夫に伝えたが、元夫からは「大丈夫か?」の一言もなかった。

「私は悪いことをしていないにもかかわらず、不倫されたほうが不利な状況で離婚させられ、子供たちを守る側に立たされ、社会の弱者として生きていくことを強いられました。でも私は、養育費をもらえているだけマシなほうです。日本の養育費制度は、踏み倒しても罰せられない甘々な制度です。離婚して半年、今のところ元夫は支払い続けてくれていますが、最後まで払い切るまでは安心できませんし、私は絶対に元夫と不倫女の監視をやめるつもりはありません」

引っ越しはしたものの、辻川さんは子供たちが転校しなくてすむよう、以前と同じ学区内に住んでいる。また、養育費は3人の子供が20歳まで支払う取り決めになっており、合計約2000万円だが、大学に進めば22歳まで学費がかかるうえ、私立なら月5万5000円では充分とは言えない。

辻川さんのみならず、夫の不倫によって離婚に至った妻は、タブーのはびこる家庭から抜け出した後も、不安に苛まれ続けている。中でも経済的な不安は最大のものだ。

結婚・出産後、家事・育児を中心的に担わされることの多い女性は、仕事から離れたり、セーブしたりすることを余儀なくされる。一度仕事の第一線から離れると、なかなか戻ることは難しく、収入面で離婚を躊躇する女性が少なくない。現在、辻川さんは派遣社員(事務)の仕事で必死に稼ぎ、家事育児に邁進している。

もちろん、長く連れ添い、信頼していた夫の裏切りによる傷が癒えるのも、長い時間がかかるだろう。せめて経済的な不安だけでも軽くなるよう、養育費支払いの義務化を願わずにはいられない。経済的な不安が解消されることは、不倫された女性が、「元夫と相手の女性への執着から解かれること=タブーから解き放たれること」にもつながるのだから。

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