「飛び入学」した初代合格者3人のその後

千葉大の飛び入学では昨年までに76人が卒業した。卒業後の進路は、大学教員や研究機関の研究員が12人。民間企業への就職は43人で、佐藤さんもここに含まれる。

読売新聞社会部「あれから」取材班『人生はそれでも続く』(新潮新書)
読売新聞社会部「あれから」取材班『人生はそれでも続く』(新潮新書)

佐藤さんと同じく初代合格者となった梶田晴司さんは豊田中央研究所に入った。トヨタとともに自動車部品の材料開発に向けた研究などを進めている。

梶田さんは、学生時代に佐藤さんが「物理屋になれなかったら、トラックの運ちゃんになる」と話していたのを今も覚えている。

「ポストや生活が安定せず、研究を諦める人は多い。自分も大学では厳しいと感じ、民間の研究機関に入った。このままだと日本の科学技術はどうなるのかという思いはある」と梶田さんは語った。

もう1人の初代合格者、松尾圭さんは大学で宇宙物理学を専攻していたが、大学院時代に千葉県の政策提案に関わったことで社会科学分野に転向。現在は、千葉市の生活自立・仕事相談センターで相談支援員として働いている。

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