子どものねこ背は、どうすれば直るのか。猫背矯正マイスターの小林篤史さんは「子どもに『背筋を伸ばしなさい』と注意しても直らない。それは猫背がラクだから。よい姿勢のままでもラクだと感じる方法を教えてあげてほしい」という――。
※本稿は、小林篤史『10秒で治る! 子どものねこ背のばし』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
ねこ背になりやすい現代の子どもたち
スマホやタブレット、携帯ゲーム機の普及、運動不足、ソファ中心の座り生活、重いランドセル……現代の生活には、子どもたちが「ねこ背」になりやすい原因がたくさんひそんでいます。
「ねこ背」だけでなく、腰が反ってお腹がぽっこりと前に出た「反り腰」の子もいます。
こういったねこ背や反り腰は、見た目だけの問題ではありません。
身長の伸び率や運動神経、さらには脳の状態にも影響を及ぼします。腰痛や肩こりといった体の不調はもちろんのことです。
とはいえ、子どもに「背すじを伸ばしなさい!」と口で言っても、それでねこ背が治る子は、残念ながらほとんどいません。
注意された直後は背中をまっすぐにしても、1分後には忘れてしまうからです。
そもそも、なぜ子どもの姿勢が悪くなってしまうのでしょうか。端的に言うと、実は「その姿勢がラクだから」です。野性で生きている猫やゴリラといった動物たちも、やはり背中は丸いですよね。つまり、いい姿勢を保つのは理性のなせる技。それを本能全開の子どもたちに求めても効果は期待できないのです。
では、いったいどうすれば子どもたちはスッキリ伸びた背中を取り戻せるのでしょうか? 整骨院を営み、整体とストレッチ・歩き方などのセルフケアを交えた「持続する猫背矯正」として3万人を超える患者をケアしてきた私がたどり着いた結論は、こうです。
「よい姿勢のまま、子どもがラクだと感じる方法を教えてあげればいい」。
つまり、「姿勢をよくできない事情や環境」を解決してあげれば、勝手に姿勢は整うのです。
今回は、大人にも子どもにもストレスの少ない方法で、ねこ背を改善する方法をお伝えしましょう。