都会人は田舎物件の価格を疑ってかかれ

一方、場違いに高い値段をつけて売りに出している物件は、売り主に「先祖代々続いてきた大切な家を安く売れるか」というプライドからでしょう。

そんな物件を間違って買うのは都会人です。都会の人は、広い土地、古くても大きな家(人によっては古ければ古いほど魅力的に映る?)がこんな値段で手に入るのかと心が動かされるようです。仲介する不動産業者はそこにつけ込みます。

結果、農家物件は相場価格というものが定まりにくくなっています。自分の価値観に合う物件が安く手に入れば幸運でしょうが、農家物件は古い建物が多く、趣はあっても、水回りや電気関係の配線などをやり直さないと使えないということが多々あります。

主人が亡くなった後に売りに出された物件では、持ち物が片付いていないことも多く、中には先祖の写真が壁に掛かったまま、などという物件もあります。売り主である相続人が地元を離れている場合は特に、後始末や売り主との交渉だけで嫌になるかもしれません。

かっこいいリゾート空き家物件の落とし穴

②の「バブル期にできたリゾート分譲地(別荘地)の空き家」も特殊な物件といえます。

これはものすごく数が増えていて、長野や山梨の別荘地などは今や空き家だらけです。日光でも霧降高原の別荘地などには空き家がいっぱいあり、家を建てるだけでも軽く数千万円かけたであろう瀟洒しょうしゃでカッコいいデザインの別荘が数百万円から売られています。

森に囲まれたコテージ
写真=iStock.com/kanzilyou
※写真はイメージです

中には贅を尽くした建物もあり、初心者は「え? 総檜造りのこの立派な家が800万円?」などと驚くのですが、800万円でも売れない理由がちゃんとあるのです。

まず、別荘地は、林の中や山の斜面といった、冬は寒くて水道が凍結するような場所にあることが多く、通年居住する場合、冬場がかなり厳しいのです。それなのに都会人がかっこつけて吹き抜けや広いリビング空間などを持つ建物の設計を都会の建築士に発注するので、暖房が効かず、ますます寒い冬を過ごさなければなりません。ぜひ、真冬に見に行くことを勧めます。

また、農家物件とは違い、土地が狭く、隣の別荘との距離があまりないので、都会の住宅地とあまり変わらないような住環境といえます。

私は今の家を購入する前、同じ栃木県内にある2カ所の大規模リゾート分譲地物件を見て回りました。外から見ると驚くほどカッコいい、お洒落で豪華な建物が手の届く価格で売り出されているのですが、その多くが斜面に建っていて、玄関まで細く急な階段を上らないといけないとか、入口が2階にあるといった問題だらけの物件でした。